離婚の公正証書作成に必要な公証役場の費用

 公正証書を作成する際には、行政書士事務所等に支払う手数料の他に、公証役場で公証人に直接手渡しで支払う費用が必要となります。この公証人に支払う費用がどの程度になるか、幣事務所がお世話になっている公証役場の手数料をもとにご案内いたます。

 複数の神奈川県の公証役場で作成いたしましたが、概ね同様の計算式のようです。但し、これはあくまで当該公証役場(神奈川県)の手数料でありますので、他の公証役場も同じとは断言できません。幣事務所は他県の公証役場でも作成いたしますが、別の算定方法を示される公証役場もあります。より正確な金額を確認される場合は、依頼する公証役場に事前に確認される方がよろしいと思います。参考事例としてご理解いただければと思います。

1、手数料計算の対象

(1)養育費

 お子さんに支払うこととなる養育費の総額です。対象となる金額は10年分を限度額とします。従って、毎月5万円ずつ10年間支払う場合には1年60万円(5万円ずつ12か月分)×10年で600万円が対象になります。仮にお子様がまだ2歳であり成人するまで18年間支払うとする場合でも、10年分を限度としますので、同じ金額になります。

(2)夫婦間給付

 これは、夫婦間で発生する財産分与と慰謝料の金額の合計です。例えば財産分与として500万円を、また慰謝料として200万円を支払う場合は、合計の700万円が対象の金額になります。なお、財産分与の対象が不動産の場合は、固定資産証明書の評価額が財産分与額になります。また、財産分与の目的が不動産と預金の場合は、不動産の固定資産税評価額と預金の額をそれぞれ別々に評価して別々に費用を算出するようです。財産分与(不動産)の公証人費用+と財産分与(預金)の公証人費用となるようです。ただ、全体の費用のバランスを考えて、ある程度の公証役場の裁量で計算する部分もあるようです。

(3)年金分割

 これは、配偶者が会社員や公務員であった場合に、他方の配偶者が国民年金の上乗せ部分である厚生年金や共済年金の合意割合(半分程度)を婚姻期間に応じて、将来の自分の年金を受給する際に加算して受け取れるようにする手続きです。年金機構のホームページをご確認願います。

 平成20年5
月以降に結婚され婚姻期間中に専業主婦であった方は、この年金分割の合意をすることなくご自身だけで年金事務所で手続きをすることができますので、この年金分割の合意は不要です。しかし、平成20年4月以前に離婚されている方や専業主婦でない方は、厚生年金や共済年金の受け取り割合を取り決める必要がありますので、この年金分割の合意が必要になります。この合意を公正証書する場合は、公証人の手数料は一律11000円になります。この11000円というのは、いくらになるか算定不能の事項に対して公証役場が請求する手数料額です。

 なお、幣事務所では、年金分割の部分だけは公正証書に記載しないで、別途、年金分割合意書を作成し、当日公証役場に持参し、公証人に認証(持参した合意書に公証人の認証文を添付して職印を捺印してもらう)してもらいます。費用は5500円ですので、直接公正証書に記載するより安くなります。

(4)用紙代

 1枚250円になります。公正証書が10枚とした場合に、正本・謄本各10枚に対してそれぞれ250円かかりますので、20枚×250円で5000円になり、さらに原本(公証役場に保管する分)は4枚までは無償ですがそれを超過した枚数に対して、1枚250円かかりますので、超過枚数6枚×250円で1500円になります。併せて6500円です。概ねこの程度の費用になります。

(5)送達手続費用

 これは、強制執行する際に公正証書と一緒に裁判所に提出する送達証明書を予め公証役場に発行してもらう手続きです。あらかじめ公正証書作成の際に送達証明書を受け取っておけば、後日強制執行する際に改めて公証役場に出向いて、発行手続きをしてもらう手間が省けます。

 なお、送達証明書とは、公証人が強制執行される方に公正証書の謄本を渡しました、という公証役場が発行する証明書になります。これは、相手が知らずに強制執行をいきなり行うことを防ぐ裁判上の手続きです。したがって、旦那様が養育費等の金銭債務を負う場合は、強制執行されるのは旦那様なので、公正証書謄本を旦那様に渡し、強制執行を行う側の奥様に送達証明書を渡します。

 但し、送達証明書とは、本来、強制執行する際の不意打ちを防止するためのものですので、まだ強制執行する局面でもない公正証書の作成の際に発行するのは不合理であるとして、送達証明書を発行しないという公証役場もあります。依頼先の公証役場に送達証明書を発行してくれるか否か確認された方がよろしいと思います。

 送達証明書代は1650円になります。夫婦それぞれが金銭債務を負う場合は、送達証明は2通必要になります。なお、債務者が欠席(代理人が出席)した場合は、直接手渡しできませんので、郵送手続き等が加わり、費用は2780円程度かかります。

(6)その他

 上記の他に、別居していた期間の婚姻費用や、結婚以前に貸したお金の精算を公正証書で取り決める場合は、別途加算され算定されます。退職金の半分を奥様が受け取る場合や、奥様が旦那様名義の不動産に無償で住み続ける旨を書面に盛り込んだりした場合は、金額は算定不能であり、11000円が加算されます。そのほかにも算定不能な行為として加算されることがありますが、概ねは以上のようになります。

2、手数料算定基準

 公証人に支払う費用の算定額は以下になります。
・100万円以下なら5000円

・200万円以下なら7000円
・500万円以下なら11000円
・1000万円以下なら17000円
・3000万円以下なら23000円
・5000万円以下なら29000円
・1億円以下なら43000円

※この金額は、養育費や財産分与などの名目ごとに加算されます。

※金銭の動きがない公正証書の場合は算定不能として11000円になります。
※各県もしくは各公証役場によって多少異なるようで、他県の公証役場に代理で業務を行ったとき、他とは別に金銭の授受が記載されている公正証書には当然は記載する強制執行認諾文言を入れることにより別途11000円を加算していた公証役場(神奈川県ではありません)もありましたので、事前に手数料の内訳も提示依頼した方がよろしいと思います。

3、事例をあげてみます。

(例)養育費を600万円、財産分与を600万円、慰謝料を100万円とした場合

・養育費  17000円

・夫婦間給付(財産分与、慰謝料)
             17000円
・年金分割(認証) 5500円

・用紙代  5000円
・送達   1650円
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   計  46、150円

 この事例は費用が多い方であり、養育費が少ない場合や、慰謝料が発生しない場合は、3万円前後で収まることが多いです。以上、参考にして頂ければと思います。

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