公正証書と効力 − 細川行政書士事務所

=目次=

・公正証書とは

・公正証書の効力

 

  公正証書とは

 

1、公正証書とは

 公正証書とは、依頼者の依頼により、依頼者から内容を聞いて、公証役場において、公証人が作成する書類のことです。

2、公証人とは

 公証人とは、長年法務にたずさってきた裁判官、検察官、弁護士の資格をもっている人のなかから、法務大臣が公証人として任命した人であり、法律の専門家です。

 公証人は各法務局(地方法務局)に所属する公務員です。公務員といっても税金から給料が支払われておらず、自営業者と同じように、自分の収入は自分で得なくてはなりません。公証役場の維持費・職員の給料・消耗品・備品代など、すべて自分の収入で賄っています。その収入源となるのが、公正証書作成や定款の認証などの手数料です。

3、公正証書の利用状況

@債務確認(弁済)
A遺言
B消費貸借
C賃貸借
D保証委託

@〜Dで全体の9割近くを占めています。
その他に、離婚協議書等が作成されています。
   

  公正証書の効力


 
公正証書を作成する意義や効力は数多くあると思いますが、「証拠としての効力」「強制執行が可能」「心理的圧迫」が主たるものです。

1、証拠としての効力

 例えば、Bさんがどうしても貸したお金を返済してくれないため、Bさんに対して訴訟を提起した場合、たとえお金を貸した事実があったとしても、訴訟の場で証明できなければ敗訴してしまいます。しかし、公正証書を裁判所に証拠として提出すると有力な証拠となります。

 そして、公正証書は公証人が間に介在する書類ですので、訴えられた者は、訴訟の場において、脅迫して書かされた、だまされて書かされたとの言い訳はなかなか言えなくなるわけです。

 すなわち、公正証書は強い証拠としての効力をもっているということになります

2、強制執行が可能

(1)契約内容を公正証書にして、その公正証書に、債務者が直ちに強制執行に服する旨の陳述(執行認諾約款)が記載されているのであれば、執行力を有し、債務名義(強制執行する際に裁判所に提出する書類)となります。

 つまり、執行認諾約款の記載されている公正証書は、債務者が履行しない場合には、裁判をすることなく、直ちに強制執行をすることが可能になるわけです。これが公正証書にする最大のメリットと言えます。

 通常の契約書だけでは、債務が履行されないからといって、直ちに強制執行することはできません。この場合は、裁判等をして債務名義(確定判決等)を得なければなりません。しかし、公正証書を作成して強制執行認諾文言を記載しておけば、裁判等にかける時間や弁護士費用を支払うことなく、裁判等をして判決を得たと同じ効果を得ることが出来るわけです。

(2)ただし、公正証書によって強制執行できるのは金銭の一定額の支払い(又はその他の代替物若しくは有価証券の一定の数量の給付を目的とする請求)に限定されます。さもないと、公証人に裁判所と同じ力を認めることになり、公証人に与える権限としては過大であり、妥当でないからです。

 したがって、不動産を目的とする内容の公正証書には執行力を認められません。なので、
契約内容が土地・建物の明渡しなどの内容であれば強制執行はできません。

 また、継続的な商取引のように債権額の増減がある場合、「一定額の支払い」とはならないため、これを公正証書にしても、強制執行はできません。なぜなら、金額が確定していなければ、強制執行の範囲が不明確であり、強制執行をできないからです。つまり、100万円か200万円か金額が明確でない契約内容については、裁判所としても強制執行をしようがないからです。

 すなわち、具体的な金額が確定しているか、もしくは金銭を確定する数式が導かれる文言が記載されている契約でなければ公正証書を作成する利点は無いわけです。

(3)以上のように
金銭債務で、しかも金額が確定している契約に限られますが、執行認諾約款付公正証書にしておけば、訴訟手続きを経ることなく、支払いを怠っている相手の給料債権や銀行預金を差し押さえたりすることができますので、公正証書の効力は大きいと思います。

 例えば、離婚の際、離婚協議書を作って、慰謝料や養育費の分割払いを取り決めたけど、途中から払ってくれなくなった、というような場合、離婚協議書を執行認諾約款付公正証書にしておけば、相手の会社の給料や銀行預金などをいきなり差し押さえることができるわけです。

3、心理的圧迫

 公正証書の法律上の効力は、訴訟が提起されたり債権者が強制執行を決意したときに威力を発揮します。相手はこのことを意識しているだけでかなりのプレッシャーになりますし、法律上の効果だけでなく事実上の返済を促す作用をもつと思われます。また、公証役場に公正証書原本が保管されるため紛失や盗難の恐れ、偽造の心配がありません。火事や盗難などにより紛失した場合でも、再発行してもらうことも可能です。

 以上、公正証書についてご案内いたしました。弊事務所ではこれまで離婚に関する公正証書(離婚公正証書作成サポート)を多数扱ってきました。ご記憶いただければ幸いです。

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