遺留分減殺請求 − 細川行政書士事務所

遺留分減殺請求権について解説させて頂きます。参考にしていただければと考えております。

1、遺留分減殺請求とは

2、遺留分額の計算方法

3、遺留分減殺請求権行使の方法

遺留分減殺請求とは − 細川行政書士事務所

◆遺留分減殺請求権とは

遺留分減殺請求権とは、相続人に保証されている遺留分が侵害されている場合、被相続人から遺贈された人や、生前贈与された人に対して、侵害された遺留分を返還して下さいと請求できる権利です。

◆遺留分とは

遺留分制度とは、被相続人が有していた相続財産について、その一定割合の承継を一定の法定相続人に保証する制度です。(民法1028条以下)

この遺留分制度の趣旨は、被相続人に相続財産の処分の自由を認めながら、法定相続人の生活安定も考慮に入れ、両者の調整を図ることにあります。

被相続人の財産処分が遺留分に反したからといって当然に無効になるのではなく、遺留分権利者の遺留分減殺請求があった場合に取り消されるに過ぎません。したがって、遺留分権利者が一定の期間内に請求しなければ、遺留分権利は消滅してしまうので、注意が必要です。

◆遺留分権利者は

1、兄弟姉妹以外の法定相続人(配偶者、子、直系尊属)です。
2、子の代襲相続人も遺留分を有します。
3、相続欠格者、相続を排除された者、相続放棄した者は、遺留分権利者となりません。但し、相続欠格、相続人の廃除の場合は代襲相続人が遺留分権利者となります。

◆遺留分の割合

1、直系尊属のみが相続人の場合は、相続財産の3分の1に法定相続分を掛けた割合、その他の場合は、相続財産の2分の1に法定相続分を掛けた割合です。

<例1>財産が現金1200万円で、相続人が配偶者と子が2人(甲、乙)の場合に故人から贈与、遺贈をうけた人に請求できる額

・配偶者は
 1200万円×1/2(法定相続分)×1/2(遺留分割合)=300万円
・子供甲は
 1200万円×1/4(法定相続分)×1/2(遺留分割合)=150万円
・子供乙は
 1200万円×1/4(法定相続分)×1/2(遺留分割合)=150万円

<例2>財産が現金1200万円で、相続人が父と母の場合

・父は
 1200万円×1/2(法定相続分)×1/3(遺留分割合)=200万円
・母は
 1200万円×1/2(法定相続分)×1/3(遺留分割合)=200万円

◆遺留分の放棄

1、遺留分放棄の仕方

(1)相続開始前の放棄は、家庭裁判所(被相続人の住所地の家庭裁判所)の許可が必要です。
(2)相続開始後の放棄は、自由に、遺留分減殺請求の相手に対する意思表示によりできます。

2、遺留分放棄の効果

(1)遺留分放棄がなされても、他の相続人の遺留分は増えません。
(2)遺留分放棄した相続人も相続権は失いません。したがって、遺産分割協議の当事者となりますし、相続開始後に相続放棄・限定承認しなければ、負債のみ相続する事態も予想され、注意が必要です。

 

遺留分額の計算方法 − 細川行政書士事務所

◆遺留分の計算方法

 遺留分は、遺留分権利者が取得した財産の額が、遺留分の額に達しない場合に問題となります。したがって、遺留分侵害の有無は、被相続人の総体財産の額(遺留分算定の基礎額)を算出し、それから各遺留分権利利者の遺留分額を算定し、実際取得した額と比較することになります。

1、遺留分の侵害額の算出

(1)遺留分算定の基礎額

 被相続人が相続開始時に有していた全財産(ア)+ 贈与した財産(イ)− 被相続人の債務(ウ)=@

(注)
*基礎額は、相続人以外の第三者になされた遺贈、贈与も含まれる点、及び、相続債務を控除する点で、相続分算定の基礎となる額と異なります。

*被相続人が相続開始時に有していた全財産(ア)
 ・遺贈は含まれる
 ・死因贈与は含まれる
 ・一身専属権は除く
 ・祭祀に関する財産も除く

*贈与した財産(イ)
 ・相続開始前の1年内になされたものは含む
 ・相続開始前の1年前のものは、遺留分権利者に損害を与えることを知っていた場合は含まれる
 ・相続人に対する贈与・遺贈(特別受益)は全て含まれる

*被相続人の債務(ウ)
 ・住宅ローン、公租公課、等

(2)遺留分侵害額(各遺留分権利者のもの)

 @ × 遺留分割合 × 遺留分権利者の法定相続分 − 相続で得た財産 − 特別受益額 + 負担すべき債務 
 

遺留分減殺請求の方法 − 細川行政書士事務所

◆遺留分減殺請求権の行使

1、行使方法

 話合いに応じそうもない相手の場合、まず、内容証明郵便で意思表示したほうがよいかも知れません。 意思表示は相手に到達することを要します。相手が内容証明を受領した時点で消滅時効は中断します。この点に関し、遺留分減殺の意思表示された内容証明郵便を相手が受け取らず、郵便局での留置期間の経過により差出人に還付された場合でも意思表示の到達を認めた判例もあります(最裁判平10.6.11)

 遺留分の意思が相手に伝わったら、相手と話し合いをして遺留分に相当する財産を分けてもらうことになります。その際、弁護士、行政書士等の専門家に間にはいってもらうと、手続がスムーズに進む場合もあります。さらに、話し合いの内容を書面(合意書)にしたほうがよろしいでしょう。

もし話し合いがまとまらなかった場合は、裁判所に調停の申立てをすることもできます。

 裁判所のホームページ  〜遺留分減殺による物件返還請求〜  

2、減殺請求の意思表示の内容

 減殺の目的とされる財産の価格まで示す必要はありませんが、一定の割合を特定する程度には具体的である必要があります。

【内容証明のサンプル】

                遺留分減殺請求書 

 
私の亡父山田太郎は、遺言をもって、貴殿に対し下記の財産を相続(または遺贈)させました。しかし私は、亡父の遺産の8分の1につき遺留分を有しています。私は、上記遺言により遺留分を侵害されましたので貴殿に対し遺留分減殺請求します。
                     記

1、神奈川県小田原市中村原999番地
  宅地  300平方メートル
2、有価証券及び預金全部


 平成〇〇年〇〇月〇〇日
 鎌倉市〇〇999番地
  山田次郎  印

                   神奈川県小田原市〇〇999番地
     
               山田一郎  殿

 
3、減殺請求権の行使の相手

 
減殺請求で直接利益を受けた者、その包括承継人、悪意の特定承継人等

4、時効

 
相続の開始及び減殺すべき贈与及び遺贈があったことを知った時ら、1年間これを行わないとき、もしくは、相続開始の時から10年を経過したときは、時効により消滅します。

【幣事務所がお手伝いできること】

最後に、幣事務所がお手伝いできることを記載させていただきます。
参考にして頂ければと思います。
内容証明作成・郵送  9,000円
合意書作成     20,000円公正証書にする場合は別途1万円)

相続・離婚・遺言・内容証明
細川行政書士事務所
TEL:0467-45-8668